協会活動報告と会員情報
【活動報告】「香川県高松市・タダノ香西(こうざい)工場 見学会&交流会を実施」
2026-01-13
10月30日に会員企業・団体の35人が参加し、香川県高松市で株式会社タダノの香西工場見学会を行った。
革新的な生産体制の視察や、国際展示会への出展状況の説明、実機のデモなどを受けて、同社のものづくりにかける姿勢やブランド戦略について学習することができた。終了後は高松駅前のホテルで懇親パーティーを開いて交流を深め合った。
当日は天候に恵まれ、集合場所である高松空港およびJR高松駅からバスに乗車して昼食会場に向かった。昼食会場は江戸時代の与力屋敷であり、国の登録有形文化財にも指定されている歴史的な建物を改装した場所で、ご当地名物の讃岐うどんを味わった。うどんのお代わりは自由とのことで、若手の参加者の中には何杯も追加をお願いする人もいた。重厚な練塀や手入れの行き届いた中庭などを愛でながらの会話も楽しみつつ、食事を堪能したところで見学先の工場へ出発した。
株式会社タダノは香川県高松市に本社を置く建設用クレーンの世界的メーカー。生産拠点は国内9工場、海外8工場となっており、従業員は単独で約1700名、連結で約5400名が在籍している。グループ会社として国内14社、海外に39社を有する。
香西工場は、高松港香西(西)地区埋立地を活用して建設が始まり、タダノの創業100周年にあたる2019年4月に竣工、8月に本格稼働した。長期目標として同社が掲げる「LE世界No.1」(LE=Lifting Equipment)の達成に向けて、建設用クレーンおよび主要部品の生産能力を高めた最先端の生産拠点となっている。
はじめにタダノの寺田王彦執行役員技術開発本部長からごあいさつをいただき、また協会からは藤井千絵BtoBコミュニケーション研究会委員長が、見学会を受諾いただいた御礼の言葉を述べた。引き続きタダノ側から会社案内ほか各種説明があった。
同社は建設用大型クレーン、車両搭載型クレーン、高所作業車の製造を事業の3本柱とし、近年では国内外の企業とのM&Aにより製品のラインナップが拡充しているという。長期環境目標として脱炭素社会の実現にも積極的に取り組んでおり、各工場で太陽光発電システムの導入を進め、香西工場では太陽光で23.8%の電力を賄っている。さらには高松港からパージ船を活用した製品の輸送を行い、製品のディーゼルエンジンをなるべく稼働させないモーダルシフトによりCO2削減に貢献している。
4月にドイツ・ミュンヘンで開催されたbauma2025(国際建設鉱業機械・建設資材製造機械・建設車輛・関連専門見本市)への出展についても報告があった。同展示会は3年おきに開催され、57カ国3600社が出展し60万人が来場する世界最大級の国際建機展だ。
ブースデザインの企画から設営、展示機の選定、世界から集まるスタッフの役割分担など3年がかりの準備の様子や、企業ロゴ「TADANO」の文字をより大きくして見やすくした点、サステナビリティ推進の一環として、初めて地元産の木材を使用・加工した「リサイクル可能なモジュール」をブース部材に採用したことなどが語られた。受注面でも大きな商談につながっており、結果的に大きな成果があり、充実感が得られた事業だったようだ。すでに3年後のbauma開催の出展に向けた準備も始まっている。
その後、参加者は2班に分かれて製造現場を案内された。ラインの稼働状況がモニターで見える化されているほか、作業者のヘルメットから位置情報のデータを取得し、人員配置など将来のライン改革の指標とする仕組みも取り入れている。近年の猛暑対策として、作業者がいる工場低層部は涼しくなり、一方で経費も節減できるゾーン空調を採用した。同社は安全第一・品質第二・効率第三を優先順位としており、その通りフルフラットで何よりも現場作業者の安全に配慮された工場となっており、その上で品質面の向上と効率化が図られたラインを構築している現場の状況を視察することができた。
屋外に出て見学したのは、走行からクレーン作業まで電気で動く、タダノが開発した世界初のフル電動ラフテレーンクレーン「EVOLTeGR-250N」のデモンストレーションだ。大型重機ながら走行時のスムーズな加速と小回りの良さ、そしてクレーンの上げ下げも静音で行われ感嘆の声が上がった。見学を終えて会議室にもどっての質疑応答では、参加者から同社のサステナブル経営やブランディング戦略などについて質問が相次いだ。
高松駅前のホテルへ移動して開催した交流会にはホスト企業であるタダノの関係者も参加され、タダノの橋本勝久理事コーポレート本部長による乾杯の発声で始まった。料理を楽しみながら見学会の感想や、それぞれが取り組んでいる業務の課題について意見交換するなど、時間いっぱいまで交流を深めていた。






